予防医療と業務改善

今回は、病気にならないために行う予防医療と事業を持続可能にするための業務改善は似ているというお話です。

予防医療と言うと、まだ広く認知されていないようにも思いますが、Weblio辞書には「予防医学に基づいて行われる予防接種、保健指導などの医療行為・医療サービス。」と書いてありました。

ふむ、わかるようでわからない。。ということで、予防医学についても Weblio辞書で調べてみると「病気の原因の除去および発病前の予防を目的とする医学の一分野。治療医学に対していう。」との記述があり、治療医学と対義語になっているようです。

ちなみに治療医学も調べてみたのですが、治療医学としての結果が見つからなかったので「治療」で調べてみました。まぁ、この治療に対する医学との認識で良いだろうという安直な考えなのですが。。すると、「病気やけがをなおすこと。病気や症状を治癒あるいは軽快させるための医療行為。療治。」というのが goo辞書の結果として出てきました。

最初から答えは出ていた気はするのですが、病気になる前の医学が「予防医学」、病気になった後の医学が「治療医学」という認識で良いかと思います。

業務改善の世界もこの「予防医学」と同じように事業が悪化する前に手を打ちましょうということが本質なのだと私は考えています。

そして、なぜ業務改善が予防医療に似ていると思ったかと言うと、業務改善の必要性は広く認知されているのに、本格的にそれに取り組もうというところまではなかなか進まないという実情があるように感じたからです。

そこで、業務改善の必要性をより身近に感じてもらうために、予防医療の考え方を取り入れながら業務改善と紐付けていきたいと思います。


異常値を発見して対処する

予防医療の観点からは、体重計測と血液検査を例として、普段私がどのように改善を行っているのかをご紹介したいと思います。

先ずは体重計測から。体重計測について、私の体重はピーク時80キロに達していました。恐らく2016年〜2018年くらいだったと思います。そこから、現在は70キロくらいまで徐々に落としていったのですが、それができたのは毎日の体重計測のおかげでした。

ただ、体重を毎日計測するまではできても、それを記録していくという行為を続けるのは相当大変です。記録すること自体は大したことではないのですが、一度記録し忘れたりするとモチベーションが下がってしまい、記録をつけなくなってしまいます。

そこで、2016年くらいだったと思うのですが、ソフトバンクのシンボルでもある「お父さん犬」をモチーフにした「お父さん体組成計」なるSIMカードが入った体組成計を購入して、毎日自動的に記録ができるようにしました。

そのサービスが惜しくも終了してしまい記録を確認することができなくなってしまったのですが、2019年からオムロンの体重計に切り替えて現在までログを取り続けています。これにより、体重の指標となるデータを取る環境が構築できたわけです。

そこから毎日のデータの変化を見ていくと、時々飲み過ぎたり、食べ過ぎたりして1〜2キロ、突如としてポンと伸び上がる数値が出ることがあります。これが異常値です。

体重の場合は、本人が前の日に飲み過ぎたなーとか、食べ過ぎちゃったなーなど、原因がすぐにわかるので、翌日は飲み食いを控えることで対処ができると思いますが、原因がわかりづらい指標もあります。私の場合、血液検査の結果がそれでした。


異常値の原因特定が難しいケースも

昨年の健康診断で血液検査の結果、脂質と尿酸値が高く、3ヶ月後の再検査が必要となりました。尿酸値は若い頃から高い状態が続いており、プリン体が多い食べ物やアルコールをどんなに控えても結果は変わらず仕舞いでしたので半ば諦めていたのですが、脂質は脂肪肝の診断もあり、改善はマスト要件でした。

最初に原因として考えたのは日々摂取したり食べたりしていた「マヨネーズ」と「カップラーメン」でした。まず最初の3ヶ月はマヨネーズを絶ち、カップラーメンはノンフライのものを選択しました。これは「マヨネーズとカップラーメンの脂質が原因であり、それらを減らせば血液中の脂質も下がる」という仮説に基づく検証です。しかし、検証の結果は総コレステロールとLDLコレステロールは若干下がったものの、non HDLコレステロール値は逆に上がってしまい、マヨネーズとカップラーメンが原因という仮説は儚くも崩れ去ることとなりました。

再び3ヶ月後に検査が必要となり、原因不明の中で次に立てた対策は「漢方」でした。漢方医の先生に処方してもらった漢方は肝臓の脂肪を抑える効果が期待できるもので、脂肪肝の改善も兼ねて3ヶ月間、粉末の苦い漢方を飲み続けました。幸い、漢方の苦味は嫌いではない(むしろ好きの部類)ので、飲み続けることも苦ではありませんでした。この苦しまずに続けられる対策というのも重要ですね。

結果は見事3ヶ月後の再検査で総コレステロール、LDL、non HDL、(一部正常値には届かなかったものの)すべての値が下がりました。現在は、「漢方を処方するという対策が正しかった」という仮説を検証するために、漢方の処方を止めて次回の健康診断の結果を見たいと考えています。

このように、体重の場合も血液の場合も、指標となるデータを定期的に確認して、異常値が出た際に原因を特定し、適切な対策を講じることが予防医療の原則かと思います。


業務改善も指標となるデータが必要

業務改善でも同様に、指標となるデータは何か?を見極めて、そのデータを毎日記録し、確認していくことが大切です。例えば、売上のデータ、顧客のデータ、稼働状況のデータ、生産量のデータなど、どのデータに異常値が発生すると事業に影響が出るのかを見極めて指標とし、定期的に確認することで事業影響を最小限に抑えることができます。

この記事の内容は動画でも5回に分けて解説していますので、興味がありましたら一度見てみてください。


#016 予防医療と業務改善1


#017 予防医療と業務改善2


#018 予防医療と業務改善3

#019 予防医療と業務改善4

#020 予防医療と業務改善5

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