選挙の改善

4月に行われた統一地方選挙。これまで何度も選挙戦が行われてきたはずなのに、なぜか今回の選挙期間中だけは選挙カーが轟かす音声が一段とうるさく聞こえた気がしました。なぜ、今回だけうるさく聞こえてしまったのか?

選挙期間中はとにかく選挙ムードをつくるべく、マスコミ・メディアも特集を組み、街なかでは政党と候補者名を連呼する選挙カーが行き交います。このスタイルは今までと何ら変わらず、選挙に関わる人たちもその行為自体に疑問は持たないことでしょう。

とすると、うるさいと感じるのは自分自身の変化によるものなのでしょうか。ふと、そんな疑問もよぎりました。そして、少し考えてみると、ここ数年感じてきた「手段を優先する」、または「手段を目的化する」ものごとの進め方と今の選挙のあり方が重なっているように感じたのです。つまり目的から手段という構図ではない違和感を感じたから選挙カーがうるさく感じたのかもしれないと思ったわけです。


投票することが目的ではない

本来は地域や社会の課題を感じている有権者が、その課題解決に貢献してくれるであろう候補者に投票し、選ばれた候補者は政策の実行に努めるということがあるべき姿だと思っています。

ただ、現状はどうかというと、選挙が迫ってくると選挙カーをはじめ、メディアやマスコミが選挙報道で投票意欲を煽り、投票に行くことが目的化してしまっています。さらには、候補者の活動内容や政策に関する情報は、意識して取りに行かないと手に入らないため、指示政党を見て判断したり、なんとなくこの人良さそうという印象だけで投票してしまっている方も多いのではないでしょうか。

少なくとも私は同じような状況(投票することが目的)で投票に行っていますし、候補者選びもろくに政策を調べられないまま投票日を迎えています。

ですが、この状況は世の中的にはよろしくないと思うんです。有権者が意識しないと候補者の情報も政策もわからない、意識しないと投票にも行かないという状況は改善する価値があると私は思いました。


深堀りして解決すべき課題に落とし込む

そこで、「選挙カーがうるさい」「政策がわかりづらい」「意識しないと選挙に行かない」という3つの課題を深堀りして、なぜそうなのか?という理由を明確にしていきました。例えば、選挙カーがうるさいと感じる理由のひとつとして、発せられる言葉が政党と名前の連呼のみで「その人が何を政策としているのか」であったり、「どんな課題を感じているのか」といった共感できる要素が伝わらず、選挙カーが伝える内容に意味を感じていないからうるさく感じるのではないか?ということが考えられます。また、候補者の活動は日常的に行われているはずなのですが、そのような活動を知る機会が少なかったりして、選挙期間前に各々の候補者の活動内容を知ることが難しいようにも感じます。そのため、選挙カーで意味のある内容を伝えられないのであれば、選挙期間中は候補者それぞれの活動内容や政策を比較検討できるような情報提供サイトがあると良いかと思いました。

上記のように、3つの課題を深堀りすることで選挙カーがうるさいと感じる理由であったり、政策がわかりづらい理由、なぜ意識しないと選挙に行かないのか?ということを探っていった結果、出てきたのが以下の3つの解決すべき課題です。

1. 多くの国民が選挙に必要な情報不足に気づき、声を上げる必要がある

2. 多くの国民が選挙カーの是非を問うか、連呼内容により大きな意味を求める必要がある

3. どの選挙でも情報が集約されている誰もがアクセス可能な専用プラットフォームが必要である


「どうやって?」を使って解決策を導き出す

解決すべき課題が見えたら、次は解決策のヒントを導き出していきます。「選挙カーがうるさい」といった漠然とした大きな課題を具体的な課題に落とし込むためには「なぜ?」を繰り返す必要がありますが、解決すべき課題から解決策を導き出すには「どうやって?」という問いを繰り返します。

例えば「多くの国民が選挙カーの是非を問うか、連呼内容により大きな意味を求める必要がある」という課題をどうやって解決するのか?を考えていくと、「一番重要視している政策」+「名前」の順で連呼するといいのではないか?というアイデアが湧きます(既にやられている候補者の方もいそうですが)。具体的には、「保育園の無償化を実現する保育花子です」であったり、「Twitterで夫婦別姓を求める別姓太郎です」と連呼することによって、それらの政策に共感する有権者の人たちが候補者に興味関心を持ち、ブログを検索したり、Twitterでフォローしたりしてくれる期待ができるということです。

このように、大きな課題から「なぜ?」を繰り返して解決すべき具体的な課題に落とし込み、解決策を「どうやって?」を繰り返すことで導き出すことができます。「どうやって?」の他に「それから?」であったり、「すると?」も使うと解決策を導き出しやすくなりますので状況に応じて使い分けてください。今回は「選挙」をテーマとして改善のシミュレーションを行ってみましたが、業務における改善も同様の手法で行うことができます。

本内容は動画でも5回に渡って解説していますので、興味がありましたら見てみてください。

#021 選挙の改善1

#022 選挙の改善2

#023 選挙の改善3

#024 選挙の改善4

#025 選挙の改善5

業務の改善 x TOPICS

株式会社 業務の改善が発信するトピックをまとめた情報ブログです。 中小企業に向けた業務改善の支援に関する情報を定期的に発信していきます。

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