業務改善とは

ここでは業務改善の本質をお伝えしたいと思います。

今現在、皆さんは「業務改善とは何なのか?」という疑問を抱いてこの記事にたどり着かれたのではないでしょうか。一般的に業務改善とは、業務効率化であったり、生産性向上であったりと、いかに時間の短縮や売上を高めていくかに焦点を当てることが多いかと思いますが、それだけに留まらず、DX推進や新規事業開発など、業務の持続可能性を高めることは全て「業務改善」であると言ってよいと思います。


課題を明確にするために、目的から考える

そこで、まずは皆さんの「目的は何か?」を考えてみてください。どのような目的を実現するために業務改善を調べられたのでしょうか?その目的が仮にふわっとしてるのであれば、ぜひ最初に目的を明確にしてみてください。それが業務改善の一歩となります。

なぜ目的を最初に明確にするのか? それは業務改善を行う上で「何を課題に設定するか?」を明確にするためです。「課題」とは、(目的として)目指すべき姿(To-Beとか言われます)に向かって現状抱えている問題(As-Isとか言われます)をどうやって解決するか?という方針が含まれたものです。

わかりづらいと思うので例を挙げますと、たとえば、「働き方改革を実現し、残業時間を減らす」ことを目的とし、残業時間を一人あたり平均50時間/月という「現在抱えている問題」を平均45時間/月未満に減らすという「(目的として)目指すべき姿」があったとします。

この「(目的として)目指すべき姿」を「課題」として考えてしまうと何を持って45時間/月に一人あたりの平均残業時間を減らすのかがわからないですよね。ですから、方針として「働く人の意識を変える」とか、「業務効率を上げる」とか改善する上での大まかな方針を含めて「課題」として設定する必要があるのです。

上記の場合、課題としては「業務効率を上げることで一人あたり平均45時間/月の残業時間を目指す」とか、「働く人の意識を変えることで平均45時間/月未満に残業時間を引き下げる」とか、誰もが方針まで理解できるような形式で言語化することが理想です。


問題の深掘りで正しい課題の設定ができる

ただ、そもそも業務効率を上げること自体困難な場合もありますし、働く人の意識が変わったところで残業時間が減る確証はありません。

そこで必要になるのが問題の深掘りです。問題の深掘りとは、問題の真因を確かめる方法で、トヨタ生産方式で用いられた、問題が起きた際に5回以上の「なぜ?」を繰り返す「なぜなぜ分析」が有名です。「なぜその問題が起きているのか?」から始め、問題の深掘りを行っていきます。先ほどの例でたとえるとすれば、「なぜ残業時間が50時間/月もかかるのか?」という問いに対し「確認作業を何度か繰り返す必要があるから」という答えが出たとします。すると次は「なぜ確認作業を何度も繰り返す必要があるのか?」という問いが生まれ、「手書きの文字が汚くて読めないことがあるから」という答えが出るという感じです。

これを最低5回以上、「そうか、これが本当の原因なんだ」という、しっくりくる答えが出るまで繰り返します。しっくりくる答えと合わせて「本当にその答えは正しいのか?」という問いも合わせて行う必要がありますので、きちんとデータで立証できるようにすることも大事になります。

問題の深掘りを経ることで、ようやく正しい課題の設定ができることになります。


業務フローの見える化で問題となるプロセスを洗い出す

課題の設定ができたら、次は「手段」の選定です。どんな解決策が適切か?を具体的にしていくフェーズです。解決策を導き出す上で、まず必要となるのが業務分析です。特に業務プロセスを細分化して業務フローを明確にしていくことが重要になります。先ほどの残業時間を削減するという目的の例でいうと、業務フローの中で時間がかかっているプロセスはどこになるのか、ボトルネック(問題の箇所)を探し出すことが求められます。なんらかの業務システムを使った作業であれば、プロセスマイニングという手法でデータからボトルネックになっているプロセスを探すことも可能ですが、アナログ作業の場合は一時的に作業時間の記録を取るなどして時間がかかっているプロセスを見定めることも検討しないとならないかもしれません。

問題の箇所が特定できたら、いよいよ解決策の検討に入ります。大事になるのは「なぜ問題が起きるのか?」を考えることです。この問題が起きる原因をどうやったら解決できるのか? たとえば、ボトルネックになっているプロセスが「帳票データの入力工程」であり、「入力するのに時間がかかる」という原因が考えられるとすれば、「帳票をスキャンして、AIで手書き文字をデータ化する」という解決策が考えられます。この解決策を「仮説」として捉え、実際に解決するのかを「実験」して「検証」することができれば、解決策として考えることができます。


解決策の仮説検証は実現可能性だけに留まらない

大切なのは、「仮説」が見えた時に「小さく試す(実験)」ことです。ここではまず実現可能性を試すことになりますので、少ないメンバーで解決策を試してみて、実際に効果が現れるかを検証します。具体的な解決策については、Google で「手書き文字 AI テキスト データ化」といった組み合わせで検索すると解決策のヒントが見えてきますので、試してみてください。

そして忘れてはならないのが、検証は実現可能性だけでは不十分ということです。どんなに優れた解決策でも、実際のユーザーが使えなかったり、使わなかったりしたら成果に結びつきません。つまり、解決策が「利用者となる組織に受け入れられるのか?」ということも検証に含まれます。実は業務改善におけるこのステップが一番難しいところかもしれません。ここには組織を巻き込むための技術やノウハウも必要になりますし、高いコミュニケーションスキルも求められます。ですが、この巻き込みまでなし得たならば、業務改善としては一定の成果を出せると考えてよいでしょう。

弊社では、この業務改善における一連のステップを並走しながら支援していきます。ちょっとした相談レベルからでも気軽にお声がけください。

上記は業務効率化や生産性向上、DX推進の一部に有効なステップです。新規事業開発を含むDX推進や新規事業開発の場合は手順が異なりますのでご留意ください。


【株式会社 業務の改善】お問い合わせフォーム


業務の改善 x TOPICS

株式会社 業務の改善が発信するトピックをまとめた情報ブログです。 中小企業に向けた業務改善の支援に関する情報を定期的に発信していきます。

0コメント

  • 1000 / 1000